2018年のケアマネジャー試験が10月14日に行われましたが、受験者数が昨年に比べて激減しています。
ケアマネジャー試験は近年受験者数が減少傾向ですが、今年の試験は近年にないほど大幅に減少をしていて、驚きの人も多いはず。
たしかに多くの資格では、年度によって受験者数の増減があるものですが、今年のケアマネ試験は前年の4割強という強烈な落ち込みようです。
これほどの受験者数が減ったのは、受験者資格を厳格化したため、試験を受けることが難しくなったことが大きな理由です。
しかし、これからケアマネージャーを目指す人にとっては、ケアマネの仕事自体が魅力がないのかも?という不安がよぎるかもしれません。
また、逆に見方を変えれば、ケアマネージャーの数が減り、チャンスが増えるという考え方もできるかもしれません。
ケアマネージャー試験の受験者数の推移
こちらのグラフではケアマネージャー試験の受験者数などの推移を紹介をしています。グラフの青色が受験者数です。
第1回試験では200,000以上の受験者数だったのですが、平成28年の第19回試験では124,000人ほどになっています。およそ6割程度の受験者数になっていて、かなり減っているがわかると思います。
出典 厚生労働省
ちなみにケアマネージャー試験の合格率が低くなっていることや難易度に関しては、こちらの記事でも紹介をしています。
受験者数の増減は様々な要因はあるでしょうが、大幅に増減をする時には、試験のルール変更などが絡む場合が多かったりします。
なお、昨年平成29年は受験者数が前年よりも増えているのですが、これは受験者資格が厳格化する前の駆け込みで受験者が増えたという側面があります。
2014年の第17回試験でも受験者数が前年よりかなり増えていますが、こちらは第18回試験より免除科目が廃止される影響で駆け込み需要がありました。
受験者資格の厳格化
ケアマネージャー試験は2014年にルールの変更があり、受験資格が以前よりも厳格になりました。
ルールが変更する前までは例えばヘルパー2級を持っている人が、5年以上の実務経験があれば受援資格を得ることができました。
このルール変更はすぐに適用されたわけではなく、3年間の経過措置を経て2018年の試験から受験資格が厳しくなりました。
具体的には、介護福祉士、看護師、社会福祉士などの有資格者で5年以上の実務経験が必要だったり、介護施設などで相談援助業務などに通算で5年以上従事するなどです。
介護職からケアマネージャー試験を受験するためには、相談援助業務に従事する以外は介護福祉士などの資格を取る必要が出てきますのでかなりハードルが高くなりました。
ケアマネ資格はチャンス?
受験者数が減ることで、必然的に合格者も減ることにもつながります。合格者が減るということは、ケアマネージャーの数自体が減るので、これはチャンスのようにも思えます。
それに、現在ケアマネージャーは高齢化が進んでおり、年齢が高いケアマネージャーが定年を迎えるなどで人数が減ることもありえるからです。
ただ、実際にはケアマネージャーは余りぎみですし、受験資格の厳格化にもつながったように、個々のケアマネの資質の差が激しいという問題もあります。
たしかに一見するとチャンスのようにも思えるのですが、今後はますますケアマネの質が問われるようになってくるでしょう。
そのため、試験に合格できただけでは十分でなく、合格後も介護に関する知識や経験を増やし、競争時代に備える必要があるでしょう。