医療は不況知らずで看護師などは人手不足のような状態が続いています。
ただ看護師は激務のため離職率も高く大変ですし、そもそも資格が必要な職種ですし、今から取得までの時間のかかる看護師資格を取る余裕もないという場合もあるでしょう。
同じ病院勤務でも医療事務は、体力をそれほど使うわけでもないので長く勤務する人も多いです。
医療はこれから高齢化が進めば、ますます需要が大きくなり医療事務の仕事もそれなりにあるのも魅力です。
医療事務を目指す人にとっては、気になることのひとつが資格です。
資格は持っていないけど就職できるかどうか、また事務の経験はあっても医療事務の経験のない場合の採用はどうなのでしょうか?
医療事務と資格
医療事務に関する資格ですが、実はものすごい種類の資格があります。
その数は半端ではなく、100にも届きそうな数の資格があるのです。いろんな団体などがそれぞれ認定資格をつくっていて多くの資格があるわけです。
主なものでも、
- 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク(R)) 主催:一般財団法人 日本医療教育財団
- 医師事務作業補助者(ドクターズクラーク(R)) 主催:一般財団法人 日本医療教育財団
- 診療情報管理士 主催:一般財団法人 日本病院会
- 医療秘書技能検定 主催:一般社団法人 医療秘書教育全国協議会
- 医事コンピュータ技能検定 主催:一般社団法人 医療秘書教育全国協議会
- 調剤事務管理士(R) 主催:株式会社 技能認定振興協会(JSMA)
これ以外にもまだまだたくさんありまして、「医療事務」と名のつく資格がズラッ、「医療秘書」と名のつく資格がズラリという感じでまさに資格が乱立しています。
これだけの資格があると、なんだか資格の価値も薄れてきそうで資格って必要なの?という感じにもなりそうです。
医療事務の3種類の仕事
一口に医療事務といっても、医療機関の中で大きく3つの役割があります。
その3つが、
- 受付・会計業務
- クラーク業務
- レセプト業務
です。
ただもっと大きく分けると、レセプト業務とそれ以外の業務という見方もできます。
「レセプト業務」は医療事務のもっとも専門性のある仕事になりますが、簡単にいうと診察費用を計算する事務です。
病院へ行って診療を受けますが、その費用をわたしたちは全額負担するわけではありません。
診療費用の一部を負担して、残りは健康保険組合などが支払うという仕組みになっています。
病院では、健康保険組合などに対して診療費用をまとめて請求するわけですが、その際に必要なのが「レセプト(診療報酬明細書)」という書類。
このレセプトの作成や、患者さんへの診療費用の計算などをするのがレセプト業務です。
「受付・会計業務」はイメージしやすいと思いますが、病院の窓口で保険証を渡したり、診察後お金を払ったりする場面ですね。
「クラーク業務」はちょっと聞き慣れないかもしれませんが、簡単にいうと患者と医療スタッフをつなぐ仕事ということ。
患者を診察室へ誘導したり、カルテの整理、病院にもよりますが医療行為以外の全般を担当しているという感じなんて所もあります。
大病院と個人開業病院の違い
医療事務には大きく分けて2~3種類の仕事があるわけですが、大病院と個人開業病院では事情が異なります。
大病院では業務を細かく分けて、医療事務も「受付・会計業務」、「クラーク業務」、「レセプト業務」と分けている場合もあるでしょう。
ところが小さな個人開業病院ではこれらの仕事を全て同じ人が兼任して行うという感じになります。
ですから忙しさは別として、行う仕事の種類が多いのは個人開業病院ということになるでしょう。
資格がなくてもできる仕事もある
医療事務というと専門性の高い仕事で資格がないと仕事ができないと感じている人もいるでしょう。
ただ、すでに説明したように医療事務にも特に大きな病院では業務を細かく分けています。
そのため、例えば受付・会計業務などは特に資格がなくてもできる場合があります。
未経験者での採用は?
資格が必要かどうかと同様、採用で気になるのは経験の有無です。
医療事務の経験がない人にとっては、未経験者でも採用してくれるのかどうかは非常に気になるところでしょう。
経験の有無で採用されるかどうかは、他の求職者との兼ね合いもあるのでその時のタイミングにもよりますが、大きな病院の「受付・会計業務」、「クラーク業務」については十分にチャンスはあるでしょう。
ただ「レセプト業務」となると専門性が高いため、資格や経験は問われやすく未経験者ではちょっと厳しい面もあります。
なかなか余力のある人員で病院も経営をしていないため、ゆっくりと新しい未経験者に教える時間がないですからね。
あなたの年齢やその他のスキルもありますが、経験や資格はやはりあった方が良いでしょう。