資格試験は誰でも受験できるものもありますが、受験資格が設けられている資格はけっこうあります。
受験資格がなければ、入り口にも立つことができないので、目指している資格があるのなら、まずは受験資格を得ることが必要です。
社労士試験の受験資格は、「学歴」・「実務経験」・「国家資格合格」という基準がありまして、これらのうちのどれかに該当する必要があります。
複雑な社労士試験の受験資格で、まずは学歴の基準に関して詳しく解説をします。
社労士試験の受験資格の基準
社労士試験は誰でも受験できるのではなく、複雑な受験資格があります。
受験資格の基準は、
- 学歴
- 実務経験
- 国家試験合格
の3つです。これらの基準のうち何れかに該当をしていれば、受験資格があり、社労士試験の入り口に立つことができるわけです。
これらの基準ですが、決して単純ではなく、かなり細かく規定されています。
分かりにくいという声も少なくないので、社労士試験の受験資格に関して、これから詳しく解説をします。
ただ、1回で解説するとなると、かなりの長さになりますので、まずは学歴の基準について解説をします。
社労士試験が受験できる学歴
社労士試験は以下のような学歴があれば受験することができます。
- 大学・短大・高専卒業
- 専門学校卒業
- 上記以外の学校卒業
ただ、これを見ても「うちの学校は大丈夫?」と疑問に思う人もいるはずですので、それぞれ詳しく解説をしていきます。
大学・短大・高専卒業
社労士試験では、大卒の他に短大や高専卒業でも受験資格が認められています。
社労士試験オフィシャルサイトでは学歴の基準のひとつとして下記のように明記されています。
「学校教育法(昭和22年法律第26号)による大学、短期大学若しくは高等専門学校(5年制)を卒業した者(専攻の学部学科は問わない)」
「自分は法律とはまったく違う専攻の学部だけど大丈夫?」とちょっと気になっていた人もいるかと思いますが、専攻の学部や学科は問われず、どのような専攻でも良いです。
理系だろうが文系だろうが構わないわけです。大学、短大、高専卒なら良いわけです。
通信制大学や夜間部でも大丈夫
大学(短大)卒業だったら良いわけですから、通信制大学で大卒(短大卒)資格を取ったという人でも、もちろん大丈夫です。
また、昼間部ではなく夜間の学校を卒業した人でもOKです。
大学中退や大学在学中でもチャンスが
大学卒業をせずに中退をした人や、まだ大学在学中の場合はどうなるのかという疑問も多く寄せられます。
大学在学中に資格を取って就職活動を有利に進めたいという思惑もありますからね。
大学に進学した人は、たとえ中退や在学中でも、以下の要件を満たしていれば社労士試験の受験資格をみたすことができます。
- 学土の学位を得るのに必要な一般教養科目の学習を終わった者
- 62単位以上を修得した者
一般教養科目の学習を終えている人や62単位以上を取り終えた人はチャンスがあります。
中退の人でも「自分は卒業をしていないからダメ」だとあきらめずに修得した単位を調べてみましょう。
ただし、この要件は大学のみに認められ、短大には認められません。
専門学校卒業
国家資格の学歴要件では、大卒と定められている例が多く見られます。
そのため世間一般の常識と思い込んで、大卒ではない専門学校卒業の自分には社労士試験の受験資格はないと思ってしまう人も多いでしょう。
社労士試験に受験資格については、すでに紹介しましたように大卒だけでなく、短大卒や高専卒でも認められているように少し特殊です。
さらに専門学校卒業でも以下の要件を満たしていれば、受験資格を得ることができるのです。
「修業年限が2年以上で、かつ、課程の修了に必要な総授業時間数が1,700時間以上の 専修学校の専門課程を修了した者」
2年以上や1700時間以上に当てはまる専門学校がどれかという具体的には特定ができませんので、まずは卒業した学校に問い合わせてみましょう。
要件をみたしていて、それを証明できる書類を提出することができれば、社労士試験の受験資格を得ることができます。
上記以外の学校卒業
上記で説明した学校を卒業していない人でも社労士試験は門戸を開けています。
その基準が、「厚生労働大臣が認めた学校等を卒業し又は所定の課程を修了した者」です。
どのような学校が含まれるかは、かなりの数にのぼるためこのページでは全てを紹介することができませんが、例えば「職業能力開発短期大学校、職業能力開発大学校又は職業能力開発総合大学校の専門課程」があります。
また、「看護師学校、同養成所」というものもあり、意外な学校を卒業していても社労士試験の受験資格を得ることはできます。
詳しくはこちらを参照してください。
高卒でも大丈夫?
社労士試験は高卒の場合は学歴要件だけでは受験資格をみたしません。
では高卒では絶対に社労試験を受験できないのかというと、まだまだ道は残されています。
その道が、「実務経験」と「国家資格合格」という基準です。
高卒の人は、実務要件やその他の国家資格を合格することによって、社労士試験の受験資格を得ることができます。
詳しいことは次回の記事で紹介をします。