会計資格でたくさんの人が受験するのが簿記検定です。
日本商工会議所が主催する日商簿記検定は、これまで2600万人以上の人たちが受験をしてきました。
人気の秘密はその万能性。
汎用性の高い資格のため、数字を使いますが文系の大学生がとっておきたい資格のひとつです。
簿記検定ほど知名度もないし、受験者数もグ~ンと少なくなる会計資格に「ビジネス会計検定」があります。
見た目も会計資格とわかり、簿記と似ている感じもする検定試験ですが、簿記検定とはどのような違いがあるのでしょうか?
同じように検定試験なので似ている感じもしますが、ビジネス会計検定はこんな資格なのです。
ビジネス会計検定試験とは?
ビジネス会計検定試験とは、財務諸表が表す数値を理解し、ビジネスに役立てていくことに重点を置いた検定資格です。
財務諸表とは、企業が毎年決算期に作成・提出する書類で中心となる財務三表である「損益計算書」・「貸借対照表」・「キャッシュフロー計算書」が特に重要です。
財務諸表を読む能力はとてももてはやされており、こんな類の書籍もたくさん販売されていて、その人気の高さがうかがえます。
サクッと読める「財務諸表」入門 会社の状態、そして未来のヒントがわかる!お茶でも飲みながら会計入門分冊版1[ほのぼの図解]【電子書籍】[ 吉田延史 ]
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財務諸表の読み方を学ぶ書籍が人気になっていることからもわかるように、ビジネス会計検定試験の勉強すべき点は現代人なら身につけておくべきスキルや教養のひとつです。
ビジネス会計検定試験は、実際に受験者数も年々増加してきており、知名度も徐々に上がってきています。
ビジネス会計検定と簿記検定の違い
ビジネス会計検定と同じ会計資格で似たような資格試験である簿記検定。両者の違いはどのようなものがあるのでしょうか?
主催者の違い
まず試験を実施する主催者の違いがあります。両者はともに商工会議所が主催する試験ですが、
- 日商簿記検定→日本商工会議所
- ビジネス会計検定→大阪商工会議所
という違いがあります。
日本商工会議所が主催する検定試験はこんな感じでたくさんあります。
- 販売士
- DCプランナー
- 日商ビジネス英語
- 日商PC
- 電子会計実務
- ビジネスキーボード
- 日商マスター
- そろばん
- キータッチ2000
商工会議所が主催するだけあって、どれもビジネスに役立つ資格ばかりです。
一方、大阪商工会議所が主催する検定試験は、
- メンタルヘルス・マネジメント検定
- ビジネス会計検定試験
- なにわなんでも大阪検定(大阪検定)
- 情報活用力診断テスト Rasti
メンタルヘルス・マネジメント検定なんかは最近の忙しい世の中で、メンタル面をケアする資格として人気がありますね。
ちなみに東京商工会議所主催の検定試験もあり、こんな感じの資格があります。
- カラーコーディネーター検定試験
- ビジネス実務法務検定試験
- 福祉住環境コーディネーター検定試験
- 国際会計検定 (BATIC)
- 環境社会検定試験 (eco検定)
こちらも人気の資格が並びますね。ビジネス実務法務検定は法律資格の登竜門的な資格で、このブログでも何度も話題にしています。
簿記検定同様に汎用性の高い資格ですね。
財務諸表を「作る側」と「使う側」の違い
簿記検定が問われる内容は、主に財務諸表を作るためのものです。つまり財務諸表を作成する技術などが主な問題となります。
一方ビジネス会計検定は、財務諸表を使う側のためのものです。つまり財務諸表を理解して、分析するためのスキルを身につけられるわけです。
でもこの違いってどうでしょう?
確かに財務諸表を作る能力があれば、同時に財務諸表を分析できるかもしれませんが、作成するとなると会社内でもその仕事は限られた人しか行わないですよね。
対して財務諸表を理解して分析するというのは、仕事だけでなく日常生活でも役立つことがあります。
そのひとつが株式投資ですよね。
財務諸表を理解することで、株式銘柄選びにも幅が広がり、より有利な投資ができることもあります。
また、就職や転職でも役立ちますよね。
どこの会社に就職すべきかの材料に人気や知名度だけでなく、財務諸表というより客観的な指標で選ぶことができればより優れた会社を選ぶことができるはずです。
確かに知名度や企業の評価を考えると、まだまだ簿記検定がビジネス会計検定を大幅に上回っているでしょう。
ただ、ビジネスや現代人のための教養を考えると、ビジネス会計検定も今後ますます人気になっていく可能性は秘めていると思います。