東京商工会議所が主催する法律資格として多くの人が受験するのがビジネス実務法務検定試験です。
この検定試験の魅力は、2級と3級なら受験資格がなく誰でも受験ができること、年に2度試験があることからチャンスが多いことなどがあげられます。
ただ国家資格の法律資格と異なり、この資格は公的資格。
また、検定試験ですからこの資格を有していても独立開業をすることもできません。
そうすると、その他の法律資格である例えば行政書士の方がより役立つような気もするのですが。
ビジネス実務法務検定試験はその難易度に対して役立つ資格といえるのでしょうか?
3級の難易度
ビジネス実務法務検定試験は、3級から1級までありその難易度も大きく異なります。
まずはこの検定試験の登竜門となる一番易しい3級なのですがどれくらいの難易度なのでしょうか?
合格率は記念受験組もいるので当てにしすぎるのも良くないのですが、3級の平均の合格率はだいたい70%ぐらいになります。
検定試験とすればびっくりするほど高い合格率ではありませんが、難関の法律資格と比較すると驚くほど高い合格率になります。
3級がビジネスマンとして最低限知っておくべき法律実務の基礎知識を問われていて、問題は決して難しいものではありませんし短期間勉強するだけで十分合格ができるレベルだといえます。
3級の試験も学生が受験することも想定していて、法律資格取得をこれから目指す人にとっての基礎固めとしても良い試験です。
2級の難易度
ビジネス実務法務検定試験の2級は、驚くほど難易度が高いわけではないのですが、年度によって難易度の変化が見られます。
合格率でみるとその違いが大きく、ある回の試験では50%を超えるのが別の回の試験では20%を切るなんてこともありました。
試験は7割以上を取ると合格するという絶対評価の試験ですから、受験生のレベルという面よりも単純に難易度のバラツキが大きいといえるでしょう。
これから試験を受けようと考える人にとって、どこに合格の難易度を設定をするのは難しいところですが、難易度が高い回を想定して準備をすることが望ましいでしょう。
1級の難易度
1級の難易度は一言でいうと高いです。合格率も平均して10%程度ぐらいで安定して低くなっています。
法律資格というと難関というイメージが強い人も多いでしょうが、1級に関しては難関資格に入るほどのレベルになります。
問題形式も2級まではマークシートですが、1級は筆記試験になります。
筆記試験はマークシートと比べると、より理解の深さが問われるので難易度の高くなりがちです。受験生も筆記試験を苦手とする人が多いですしね。
法律資格として役立つ?
ビジネス実務法務検定試験ですが法律資格として役立つのでしょうか?
法律資格は、司法試験、司法書士、行政書士など独立開業ができる資格が多いのですが、ビジネス実務法務検定試験は検定試験ですしこの資格を取得しても独立開業はできません。
独立開業ができない資格ということであまり役立たないかというと、そうでもありません。
難関の1級に合格ができる法的素養を持っていれば、企業の法務部で活躍できるほどのポテンシャルはあるはずです。
また、法務部でなくともビジネスパーソンであれば知っておくべき法律知識に触れていることで、企業にはプラスになることもあり、この資格が役立つ場面も多いはずです。