資格試験の“勉強時間の目安”というものが資格試験予備校などで示されている場合がよくあります。
この目安ですが実際はどうなのでしょうか?
超難関資格の場合、何年も勉強を続けているのになかなか合格しないなんてこともありますからね。
また、例えば法律系の資格でしたら、全くの初学者と法学部卒や、すでに法律系の資格を取得している人でしたら、そもそも前提となる基礎知識の有無によってずいぶんと勉強時間の目安も違うはずです。
さらに勉強時間の目安自体も情報の発信場所によっては、その時間もずいぶんと異なったりします。
資格試験に関する勉強時間の目安については、これから受験する人にとってはどのように考えれば良いのでしょうか?
「勉強時間の目安」は単純に合格難易度と思っておけば良い
資格試験の予備校などで紹介されている資格試験の「勉強時間の目安」ですが、表示されている勉強時間を費やせば必ず合格できるというわけでは当然ありません。
目安の勉強時間よりも短い時間で合格する人もたくさんいますし、逆に目安の勉強時間を超えてもなかなか合格できないという人もいます。
あくまでも目安の時間ということで、予備校の意図としては資格の難易度を示す指標のひとつとして紹介されていると思っておけば良いでしょう。
難易度は、「超難関」・「難関」・「普通」・「やさしい」や「SA」・「A」・「B」などであらわされる場合もありますがちょっと抽象的でわかりにくいです。
それよりも時間であらわす方が具体的でわかりやすいということもありますからね。
「勉強時間の目安」の例
大手資格予備校のLEC東京リーガルマインドでは、「資格ガイド」で以下のような「標準学習期間」として勉強時間の目安を示しています。
- 宅地建物取引士 6ヶ月~1年
- 管理業務主任者/マンション管理士 5ヶ月~10ヶ月
- 不動産鑑定士 1年半~3年
- FP(ファイナンシャル・プランナー)3級FP技能検定 2ヶ月程度 2級FP技能検定 4ヶ月程度
- 貸金業務取扱主任者 3ヶ月~6ヶ月
- 日商簿記 3ヶ月~2年
- 税理士 3年~
- 公認会計士 約2年間
- 中小企業診断士 1年
- 行政書士 1年
- 社会保険労務士 1年
- 通関士 半年~1年
- 衛生管理者 4ヶ月~6ヶ月
- 公務員 6~14ヶ月
学習期間ですが、資格によってはかなりバラツキがあったりします。
税理士3年と公認会計士約2年のように実際の試験の難易度(公認会計士>税理士)とは、ちょっと異なるものがもあったりします。
資格試験予備校が出しいてる勉強時間の目安ですから、当然自らのカリキュラムを利用した場合の目安になるはずです。
そのため、ノウハウが乏しい独学となると、さらに勉強時間の目安は伸びる場合が多いでしょう。
初学者の場合とすでに関連知識のある場合では違う
資格試験予備校を利用する場合とまったくの独学で学習する場合とでは、合格に関するノウハウの違いがあり勉強時間の目安も変わってきます。
その他にも受験する資格試験に関して、まったくの初学者の場合とすでに関連知識のある場合とでは勉強時間の目安も違ってきます。
例えばこれから行政書士試験を目指す場合を考えてみます。
まったくの初学者と法学部卒業や、すでに宅建の資格を持っているような法律を学習したことがある人では、難解な法律用語に慣れているので、学習のとっかかりがそもそも違うでしょう。
初学者がむしろ有利な場合もある
資格試験の勉強を始めるには、事前に関連する知識があったほうが勉強に取り組みやすいという点はあります。
例えば法律学習のような一般的には使うことがない難解用語が並ぶものだと、難解な用語を知っているだけでも有利だといえます。
ただそれも最初だけ。初学者が難解な用語に慣れればその差はなくなるわけだし、知らない知識はそれだけ頭に吸収する余地が大きいともいえます。
また中途半端な理解の知識があって、かえってそのまま誤解をしたまま理解をしているなど問題点もある場合もあります。
真っ白な頭でスポンジのように知識を吸収できる初学者が有利な場合もあります。
勉強は効率的にすることが必要
初学者にしろ受験する資格試験に関連する知識がある者にしろ、勉強は効率的にすることが必要です。
そもそも効率的な勉強ができなければ、たとえ関連する資格をすでに取得していたとしても、その後は時間をかけている割には学力が伸び悩みます。
資格試験予備校が紹介している資格試験の勉強時間に関しても、効率的に勉強することが前提になっています。
非効率な勉強を続けると誰でも受かるような資格には合格ができても、難関資格はもちろん、それほど難易度が高くない試験でも合格はおぼつかないでしょう。