司法書士試験は難関資格のひとつとして、多くの人が難しすぎる資格試験という印象を持っています。

 

では実際の難易度はどうなのでしょうか?

 

とても凡人では合格のできないような難しすぎる資格試験かを他の難関資格と比べてみました。

 

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司法書士試験は日本一暗記量が多い?

 

司法書士試験は、「日本一暗記量が多い試験」といわれていた時期がかつてありました。

 

私も東大を卒業した某資格予備校の某有名講師が、そのように言っていたことを覚えています。

 

では、現在も司法書士試験は日本一暗記量の多い試験と言えるのでしょうか?

 

司法書士試験の試験科目は多く、その膨大な勉強量が必要なことは間違いありません。

 

試験はこんなにたくさんの科目が出題されることになります。

 

  • 憲法
  • 民法
  • 刑法
  • 商法
  • 不動産登記法
  • 商業登記法
  • 供託法
  • 司法書士法
  • 民事訴訟法
  • 民事執行法
  • 民事保全法

 

民法や商法というそもそも膨大な量の条文がある科目もありますし、その量の多さは科目を見てもわかります。

 

さらに不動産登記法と商業登記法が多肢選択式だけでなく、記述式の試験もあり、口述試験もありますから試験内容だけ聞いて目指すのをあきらめてしまう人もいるでしょう。

 

日本一かどうかはさておき、膨大な量の暗記量が必要なことは今も変わっていません。

 

さらに、最近は司法書士試験の問題傾向が変わってきていて、より論理的思考が必要な問題も増えてきています。

 

膨大な暗記量は相変わらずで、さらに問題を解くのに単純な暗記で対応できる問題が少なくなり、より高度な問題になっているといえます。

 

 

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司法書士試験の合格率

 

資格試験の難易度をはかる尺度として合格率があります。

 

合格率は受験しても到底合格するのに及ばない人もいるので、それほど当てにならないという考え方もありますが、参考にはなります。

 

特に司法書士試験では、他の資格試験と比べると、合格率の低さが安定していることが超難関資格であることをあらわしています。

 

司法書士試験の合格率がですが、例年3%前後で推移しており、ほとんど変化がありません。

 

参考までに最近10年の合格率の推移です。

 

  • 平成20年 3.4%
  • 平成21年 3.4%
  • 平成22年 3.5%
  • 平成23年 3.4%
  • 平成24年 3.5%
  • 平成25年 3.5%
  • 平成26年 3.8%
  • 平成27年 3.9%
  • 平成28年 3.9%
  • 平成29年 4.0%

 

これより少し前のように、2%台の合格率は見られなくなり、近年は若干合格率が高くなりがちですが、それでも安定して100人に3人程度という低い合格率になっています。

 

資格試験によっては年度によって合格率の上げ下げが激しい場合もありますが、司法書士試験の合格率が安定しているのは理由があります。

 

司法書士試験は、問題の何割の得点で合格するという絶対評価ではなく、成績上位者の一部のみを合格者する相対評価の試験制度を採用しています。

 

そのため、年度によって問題の難易度の高さによって合格のし易さが左右するのではなく、安定して難しい試験であるといえるでしょう。

 

問題の難易度は論理性などがより必要となり、昔より上がっているといえる司法書士試験ですが、ここ最近は合格率が上がる傾向にあります。

 

このような状況を考えて司法書士試験は、難しすぎる試験といえるのでしょうか?

 

司法書士試験だけで考えるのではなく、他の難関資格と比べるとより鮮明になるはずですから、他の難関資格と比較をして、その難しさの度合を以下で比べてみます。

 

 

司法試験と司法書士試験

 

難関資格の代名詞とも考えられているのが司法試験です。資格試験の最高峰という考え方もあるでしょう。

 

では司法試験と司法書士試験では難易度はどれくらい違うのでしょうか?

 

司法試験と司法書士試験の難易度ですが、これはやはり司法試験のほうがより難しい試験だといえます。

 

「司法試験崩れ」という言葉があるように、司法試験を何年挑戦してもダメで他の法律系資格に鞍替えしたという例もたくさんあります。

 

ただ、司法書士試験は司法試験と比べて違った難しさがあり、一概にはその難易度を比べられないともいえます。

 

司法書士試験は細かい登記申請を的確に遂行するための能力を測るため、詳細かつ正確な知識が必要という点でとても難易度が高く大変な試験です。

 

一方司法試験は論理性が強く問われ、基本的な事項を暗記することも必要ですが、より応用力が試される点で難易度が高く大変な試験です。

 

試験の性格が違う試験なので、より自分にあった試験を選ぶのが大事ともいえるでしょう。

 

 

行政書士試験と司法書士試験

 

行政書士試験と司法書士試験の難易度を比べると、これは圧倒的に司法書士試験のほうが難しいという考え方が主流です。

 

実際に必要な勉強量も司法書士試験のほうがはるかに多いでしょう。

 

必要な勉強量や詳細かつ正確な知識が必要という点では圧倒的に司法書士試験のほうが行政書士試験より難しいといえるでしょう。

 

ただ、一つだけ行政書士試験が悩ましい点があるのは、一般教養科目の存在です。

 

しかも一般教養科目には約4割以上得点しなければならないという足切り点があります。

 

特に法律だけを勉強し続けてきたという比較的年齢層が高い人にとっては、学生時代に勉強してすっかり忘れてしまった一般教養科目に苦手意識を持つ人も少なくありません。

 

そのため司法書士試験がダメだったから、行政書士試験にすぐに合格できるかといえば、人によってはとても苦労する人もいます。

 

それぞれの資格試験によって、特有の難易度の高さがあるので、見た目の難易度だけでなく注意が必要です。